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               会 長   白 木 裕 子
  
   「NPO法人ケアマネット21」設立の経緯と
    介護支援への思い

 
   ・ケアマネジャーが孤立しないために。
     ・なにより燃え尽きないために。
       ・そして、お互いが学び合い育ち合うために。



 平成12年4月、加齢に伴う心身の変化に起因する疾病等により、入浴や排せつ、食事等の日常生活に介護等が必要になっても、その人が有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービスを総合的に提供していくことを目的として新たに介護保険制度が創設されました。

 この制度を効果的及び効率的に運営していくため、専門的見地から利用者の課題を分析し、利用者の心身の状況等に最も適した支援計画を立てるとともに、利用者が必要なサービスを受けることができるよう、利用者とサービス提供事業者及び保険者との連絡調整を担う要として介護支援専門員(ケアマネジャー)という新たな職種が位置付けられました。

 介護保険制度のスタートから、一年余りが経過すると、あまりの多忙さゆえに多くのケアマネジャーが精魂尽き果てて離職してしまうという、いわゆる燃え尽き症候群と言われる問題が生じてきました。

 そこで、ケアマネジャーが燃え尽きないために、どのようにすればよいか、広く意見を聞くため1000名近い関係者の参加を集めてシンポジウムを開催したところ、多くのケアマネジャーから、連絡会などの横のつながりが欲しいとの声があがり、これを契機にケアマネジャーによるケアマネジャーのための協議会である「介護支援専門員ネットワーク21(ケアマネット21)」を設立しました。

 この会では、ケアマネジャー相互の情報の共有化と資質の向上を図るため、定期的に研修会を開催するとともに、介護サービスに関する調査研究などに取り組んできました。

 また、よりよい介護保険制度の推進に向けて、行政などの関係機関と連携を図りながら職能団体としての情報発信なども行ってきたところです。


介護や支援の必要な方が笑顔で過ごされるために。
関係者全てが手を結び、それぞれの役割を十分に果たし合うために。



 介護保険では、介護や支援が必要な高齢者等が、住み慣れた家や地域で安心して生活を続けていくことができるよう、ケアマネジャーがケアマネジメントの手法を用いて総合的かつ効率的に支援を行うこととしています。

 介護保険におけるケアマネジメントとは、生活の困りごとの原因となる課題を分析し、課題解決に至る道筋と方向を明らかにして、様々な社会資源の中から最も効率的で効果的な支援策を総合的に提供しながら課題解決を図っていくプロセスとそれを支えるシステムです。

 ケアマネジャーの立案した支援計画が真に効果を発揮するためには、主治医や介護サービスを提供する事業者など、利用者を取り巻く関係者が、計画の趣旨を理解して一つのチームとなって連携を図りながらそれぞれの役割を担っていくことが重要です。

 こうした意味において、年をとって、からだが多少不自由になっても、できるだけ自立しながら住み慣れた家や地域で暮らしていきたいと願う高齢者を支えていくためには、介護・医療・福祉等の業務に従事する関係者が相互に交流の促進を図りながらケアマネジメントに関する知識・技術の向上を図っていくことが重要となっています。

 そこで、「介護支援専門員ネットワーク21(ケアマネット21)」の設立から10年目を迎えたことを契機に、これまでケアマネジャーによるケアマネジャーのためにという当会の活動範囲を高齢者等のケアマネジメントに従事する介護・医療・福祉等の関係者全体の相互交流や資質向上を図る活動に拡大してまいりたいと考えています。

 また、会の活動範囲の拡大を図るに当たり、特定非営利活動法人格を取得することにより、行政等と連携を図りながら専門職種の資質向上に係る研修事業の受託や介護保険制度の改正等に対する提言なども行いたいと考えています。

 さらに、その活動範囲を広く情報発信することにより、市民の支持や信頼を得ながら、市民に対して広く介護保険やケアマネジメント等に関する啓発を行うことにより、広く市民福祉の向上に寄与してまいりたいと考えています。

白木 裕子
・株式会社フジケア 取締役副社長
・主任介護支援専門員
・認定ケアマネジャー
・看護師


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